2018年3月18日放送のNHKスペシャル
今回は生命誕生の神秘に迫ります
命というのはどのように産まれて
くるのでしょうか。

 

 

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あなたになるまでの物語

卵子と精子が合体してできるのが受精卵
これがわずか10ヶ月で驚きの成長を遂げる。

 

この受精卵の中には私たちの体を作る
物凄く精巧なプログラムが
入っていると言います。

 

生命誕生を追いかける為
ある夫婦に密着することに
3年前に結婚、なかなか子供に恵まれず
検査をすると卵子の数が極端に
少ないという事がわかった。

 

残り少ないチャンスなので
思い切って体外受精を選択することに。

 

卵子の中に精子を入れる
これで終わりではなく、2つの丸い
物体が現れました、それは母の核と
父の核、つまり遺伝子の入った核。

 

精子の頭にぎゅっと詰め込まれていた
遺伝子が膨らんで出てきました
その2つが交わったのです。

 

遺伝情報が入った染色体が集まり
これで新たな命が生まれたのです
2時間後に分裂を始めた
5日間かけて細胞が100個ほどに増える

 

この後いよいよ、子宮に着床する
時期を迎え、奥さんの子宮に戻されます。

 

最大の難関はここから
受精卵が子宮の壁にしっかりと
根付くかどうか
、体外受精でも
自然の受精でもここが上手くいかないと
妊娠には至りません

 

難関を乗り越える為にお腹の中では
あるメッセージ物質が働いて
大きな変化が始まることが
わかってきたのです。

 

一体何が起きるのでしょうか?
アメリカニューヨークの
ロックフェラー大学、世界で初めて
決定的な瞬間をとらえた
アリ・ブリバンロー教授。

 

母親が妊娠に気づくずっと前に
赤ちゃんからお母さんへ発信
されている初めてのメッセージを
映像でとらえる事に成功したのです。

 

シャーレに子宮と似た環境を作り出し
着床後の受精卵を観察
すると黄色く見える物質があちこちから
分泌されてきた。

 

hCGと名付けられたこのメッセージ物質
赤ちゃんが母へ向けて発する
最初のメッセージなのです。

 

hCGは受精卵が子宮に根付くために
大切な働きをしています
子宮の壁にくっついた受精卵
しかしそれだけでは次の生理が来た時
体の外へ出ていってしまう。

 

そこで受精卵が放出するのは
『ここにいるよ!』
というメッセージ、母親の血液の
流れに乗って卵巣などに働きかける

 

すると母親の体は生理を
起こさなくなり
子宮の壁を段々と厚くしていった

 

そこに受精卵がしっかりと
包み込まれるのです
ここまでで初めてお母さんの体は
妊娠の準備をする事が出来る。

 

受精卵を子宮に戻してから
3週間経った奥さん、1回の体外受精で
妊娠できる確率は3分の1と言われている。

 

血液検査の結果、hCGの値が高かった
つまり体外受精は成功したのです。

 

身体ってどうやって作っていくの?

元はたった1つの受精卵ですが
身体を作っていく上で、細胞が
数百種類にも増えていく

 

山中教授が研究しているiPS細胞や
ES細胞はこの細胞を作り出す事が可能

生命の誕生は正に
ドミノ式全自動プログラム
このように山中教授は話します。

 

一旦始まると次から次に色んな
臓器が生み出していくのです。

 

一体どういうものなのか?
スウェーデンにあるカロリンスカ研究所
実はこの臓器誕生にもメッセージ物質が
大きく関わっています。

 

教授のケニス・チェンさん
最初の臓器が生まれる秘密に迫っている

 

シャーレの中に入れたES細胞
まだ何の臓器にもなっていない
これにあるメッセージを与える。

 

メッセージ物質、ウイント(WNT)
分裂していく受精卵の中で
大量に見つかる物質です。

 

1週間後に細胞の一部が動き
更に2日後、シート状の細胞全体が
大きく波打つようになった
そう、最初に生まれるのは心臓なのです。

 

次は何が生まれるのか?
それを教えてくれるのが
横浜市立大学の
先端医療科学研究センター
この番組の取材中に起こったのです。

 

武部貴則先生はiPS細胞から
様々な臓器の細胞を作り出し
いま世界から注目を浴びている科学者です。

 

この日は人のiPS細胞から作った
心臓の細胞を観察していた
拍動する心臓の細胞の隣で
拍動を起こさない細胞がある
実はこれ、肝臓の細胞だったのです。

 

調べてみると、心臓の細胞が隣の細胞を
刺激して肝臓を作り出したことがわかった

 

世界中で進む最新研究によって
受精卵が臓器を生み出す秘密が
解き明かされるようになってきている。

 

最初に心臓になって、という
メッセージから始まって、そこから
臓器を作って!
というリレーが始まっていき
その他の臓器も生み出されていくのです。

 

体外受精をした奥さん、順調に
受精5週目を迎えた、この頃には検査で
赤ちゃんが心臓を動かしているのが
わかったのです
赤ちゃんの大きさはたったの3mm。

 

受精が9週目になると人の形に
なっていきます、心臓を確認して
およそ2か月後にはほとんどの臓器が
出そろい人体の基本が出来た。

 

臓器が誕生していくのは
枝分かれのそれぞれのメッセージ物質が
必要で何種類もが複雑に絡み合って
進んでいくのです。

 

iPS細胞での実験では、メッセージ物質の
タイミングや濃度が少しずれた
だけでもうまくいかなくなるという。

 

臓器は出そろった、次なる難関って?

妊娠7か月目の赤ちゃん
エコーに入らないくらいに大きく育った
実はこの大きく育つが
次なる難関なのです。

 

ここからお母さんと赤ちゃんの
共同作業が始まっていく
子宮には穴があります、これは
お母さんの血管の出口

 

胎盤がくっついた後に穴が開く
そこからお母さんの血液が胎盤に
ドンドン入ってきて
ここから赤ちゃんに
酸素や栄養が送り込まれるのです。

 

胎盤の中には酸素や栄養をキャッチする
物体があります、そこには赤ちゃんの
血管が通っている。

 

その上からお母さんの血液が降り注ぎ
この血液から、物体が栄養を吸収する
酸素もまた吸収していく。

 

お母さん側から送られた
メッセージ物質が、赤ちゃんが持つ物体に
もっと伸びなさいとメッセージを送り
更に酸素や栄養を吸収しやすい状態にする。

 

もっと大きくなるために・・・

体外受精の奥さん、妊娠4ヶ月を迎えた
つわりが酷く食べたものを戻したり
水分が取れない状態になっていた。

 

この時の赤ちゃんの身長は10㎝ほど
この間もまだ、臓器が出来たばかりなので
それを大きくする作業がお腹の中で
続いています。

 

そしてお母さんもこの頃は非常に大変
その秘密を解き明かしたのが
カリフォルニア大学の
スーザン・フィッシャー教授。

 

注目したのは子宮の血管の出口
妊娠初期の直径は0.05mmだったのが
妊娠中期になると、0.5mmにもなる。

 

更に詳しく調べると、血管の出口を
拡大すると少し違った細胞が見えた
それは赤ちゃんの細胞だったのです。

 

本来なら赤ちゃん側にあるはずが
子宮の血管の出口にたくさん
くっついていたのです。

 

これは赤ちゃんの細胞が母親の子宮に
入り込み血管を探し出します
そしてその血管の壁を突き破ると
フィッシャー教授は話す。

 

これこそが赤ちゃんを大きく成長させる
脅威のドラマなのです、妊娠4か月ごろの
胎盤の中は栄養を吸収する物体は
大きくなっていました。

 

しかし物体が少し黒ずんでいる
赤ちゃんが大きくなるにつれ
お母さんの栄養が足りなくなり
酸素と栄養が行き渡っていない。

 

このままでは赤ちゃんが成長できなくなる
すると物体から何かを出し始めた
メッセージ物質、PGFです。

 

このメッセージをお母さんの子宮が受け取ります
すると血管の出口を広げて
与える血液の量を増やしていった
のです

 

しかしこれで終わりではない
赤ちゃん側の栄養を受け取る物体が
次々と伸びていって
その先が子宮に到達した。

 

赤ちゃんの物体の細胞が子宮の中へ
もぐりこんでいきます、血管の出口の
壁を突き破りドンドン割り込んできた
そして血管の壁が壊されて
出口が大きく広がった

 

これで赤ちゃんは大量の酸素と栄養を
受け取ることができる
、そのため
大きく成長をしていく
このように考えられているのです。

 

体外受精の奥さんは
過去に子宮筋腫を患っていた
当時は手術をし治療をしたが
子宮の壁は薄くなっていました。

 

赤ちゃんに大量の血液を送り続ける
事が出来るのか?という
不安でいっぱいでした。

 

妊娠9ヶ月、胎盤を通じて
酸素と栄養がしっかりと運ばれていた
奥さんの子宮はきちんと
送っている事が出来ていました。

 

その後、子宮筋腫の手術をしていたので
子宮破裂のリスクがあるため
帝王切開での出産となりました。

 

生命誕生の解明、医療に生かす

ランドリーちゃんという12歳の女性
いくつもの内臓に病を抱えている
産まれる前、メッセージ物質が
上手く働かなかったためと
考えられている。

 

何度も手術を繰り返してきたが
肝臓が悪化していきました
この治療に前出の武部さんが
関わるようになった。

 

武部さんが目指す医療は
iPS細胞から小さな肝臓を作り
患者の体に埋め込む事

いわゆる再生医療です。

 

しかし肝臓の細胞を作っても
臓器としての細胞を作ったわけではない。

 

肝臓は複雑な臓器、これは8Kで撮影した
生きた肝臓の断面

青い部分が
細胞で、その周りを毛細血管が
埋め尽くしています。

 

かなり複雑な構造で、人の手で
作り出すのは不可能と言われていた。

 

そこで考えられたのが、母親の肝臓で
起こっている事を真似する事

 

iPS細胞が肝臓の細胞へ変化していく
途中で、血管の細胞とその周りを
支える細胞を混ぜ合わせる
これは胎児の中で肝臓が出来ていく
状態に似ている
と言われています。

 

そして母親の体内と似た環境で
培養をします、細胞たちがメッセージ物質を
だして語り合い、複雑な構造を
ひとりでに作ってくれるのではないか?
武部さんはそう考えていた。

 

するとある日、バラバラだった
細胞が一つにまとまってきたのです
出来たのは僅か数mmの小さな肝臓
中には血管の網の目もありました。

 

これが体の中で働くのか?
肝臓の機能が落ちているマウスに
小さな肝臓を埋め込みました
すると30日後の生存率が
飛躍的に高まった
のです。

 

ミニ肝臓を作り出すことに
成功したのです、現在ではこの
ミニ肝臓を大量に培養するための施設を
去年から動かし始めました。

 

2020年には重い肝臓病を患う子供たちに
臨床研究を始めたいと考えている。

 

 

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