2018年7月22日放送のサイエンスゼロ
今回はエクソソームの特集です
生命維持の要であるといわれている
エクソソーム、新たな情報が
わかったそうです。

 

 

スポンサードリンク

 

心筋梗塞の壊死した細胞を再生させる!?

心筋梗塞、現代では発症率が非常に
高くなっていて問題視されています
心臓の細胞が壊死してしまい
もし一命をとりとめても
心臓を元通りにする事は困難と
言われています。

 

その理由として心臓は新しい細胞に
変わるケースが極めて遅く
50年で入れ替わるのは3割程度。

 

ところが心臓の中に潜む
エクソソームの中に
ごく僅かだが心臓の細胞を
再生させるメッセージを持った
マイクロRNAが含まれていた。

 

これをうまく使えば心筋梗塞を
治す事が可能になるかもしれない
その様に言われているのです。

 

エクソソームについては
国立がん研究センターの
落谷孝広先生が教えてくれます。

 

このエクソソームが心筋梗塞の
治療に役立つのではないか?
というのは今から11年前の2007年に
わかるようになってきたそうです。

 

スウェーデンのヤン・ロトバル博士が
論文の中で
『マイクロRNAというものが
エクソソームに入っている』

このマイクロRNAがメッセージ物質の
役割を果たす主役なんだと。

 

マイクロRNAは核酸物質の一種で
とっても不安定、血液中に出てくると
恐らくではあるが一瞬で分解される
はずなのに、どうして流れているのか?

 

つまり安定している、という事がおかしく
何か理由があるのでは?
という所からはじまり、そこで
ロトバル博士の研究チームは
エクソソームという発想を持ってきて
その中に大事にパッケージされている
という事に至った。

 

エクソソームは脂質二重膜という
脂の膜で包まれていて
なかなか壊れない、ということです。

 

前述したとおりエクソソームの中には
マイクロRNAがあります
これは22個の塩基の連なりです

 

色々な種類がたくさんあって
エクソソームに包まれている。

 

新たな治療へも期待されている

例えばがん、がん細胞もまた
エクソソームを分泌している事が
わかっています。

 

この研究で世界をリードしているのが
国立がん研究センターの落谷孝広先生。

 

がん細胞がエクソソームを巧みに
利用し増殖している事を突き止め
この性質を治療に応用しようとしている

 

がん細胞はエクソソームを
自分自身が生き残る手段として
とてもうまく利用していた。

 

がん細胞が人を死に至らしめる
最大の要因が、転移です。

 

最初は小さな細胞だったがん細胞
それがだんだん大きくなり、別の臓器へと
転移増殖する事で人の命を奪う。

 

がん細胞はどうやって転移するのか?
今までは謎のメカニズムだったが
現在はその謎のメカニズムが
わかろうとしてきている。

 

がん細胞が放出したエクソソームは
血管の壁の中へ入っていき
『もっと栄養が欲しい』
というメッセージを伝えると
血管を作る細胞が、仲間からのメッセージ
だと勘違いして血管新生を行い
がん細胞に栄養を与えてしまうのです。

 

さらに免疫細胞にも悪さをする
エクソソームを放出して
免疫細胞に対して
『攻撃するのをやめて!』
免疫細胞はこれを真に受けて
攻撃するのをやめてしまうのです。

 

落谷さんはこれを逆手にとり
がん細胞の転移を抑え込む戦略を
練り上げました。

 

エクソソームを抑える事が出来れば
がんの転移を抑えられると考えた

 

その方法ですが
ある特殊な抗体をがん細胞に貼り付ける
すると免疫細胞は、貼り付けられた
がん細胞を見つけると簡単に
攻撃をすることができる

 

この作戦、マウス実験では
目印をつけたマウスとそうではない
マウスを比べると、エクソソームに
目印をつけたマウスには
殆どがん転移は見られなかったのです
その抑え込みはなんと9割以上!!

 

転移を食い止めるだけではなく
『がんの超早期発見』
という事も可能になるという。

 

落谷先生の話では
がん細胞の種類ごとにマイクロRNAの
種類も異なることがわかり
そのメッセージであるエクソソーム中の
マイクロRNAを知ることで
どんながんが患者さんの中に生まれたか
これを知ることができる
というのです。

 

そしてがん細胞は転移する手段として
エクソソームを利用している

という事もわかったそうです。

 

なのでエクソソームの機能を止める事が
転移のコントロールに
つながるのではないか?

このように考えられている。

 

現段階の研究ではこのエクソソームを
薬や新しい抗がん剤などを運ぶ
器として利用していきたい
という事も考えているそうです。

 

病気以外でもエクソソームを活用

未病という分野でも大きく広がりを
みせているといいます。

 

未病というのは、例えば肩こりと病院で
診断されても病気ではないですよね?
しかし肩こりは時に、心臓病の
サインの可能性もあるかもしれない
こういう状態を危険な未病という。

 

このような異変をエクソソームを
利用し発見をする、という事に
注目が集まっている。

 

そこで老若男女のエクソソームを解析
体内のマイクロRNAをデータ化
しようとしています。

 

健康な状態のマイクロRNAの
状態がわかれば、これが基準となり
例えば肩こりの人に健康な人と
異なる結果が出ていたら
それは何らかの病気の前触れと
考えられるのです。

 

この検査が血液一滴で、出来るようになる
もしこの検査で血液中に心臓病を示す
エクソソームが流れていれば
それは大きな発見でもあります。

 

次に肌の老化にもエクソソームが
関わっている
という、東京の銀座にある
化粧品メーカー、肌の弾力などには
コラーゲンが大きく影響をしている。

 

コラーゲンは肌の表皮の下
真皮部分にある繊維芽細胞で作られる

 

真皮全体に網目状の形を作り
肌を支える役割、これがコラーゲンの働き。

 

しかし肌の老化のメカニズムには
未だに謎があるといわれていて
紫外線によってシミやシワが出来る
という事はわかっているのですが
ですが個人差はうまれる

 

同じ50代でもひとりひとり
シワの深さもシミの量もちがいます
なので個人の老化については
わかっていない事の方が多い。

 

この個人差はなぜ起こるのか?
この謎を解くカギがエクソソームに
あるのではと、化粧品メーカーは
推測をしているのです。

 

そして研究を続ける中で貴重な事が
わかったのです、真皮の中にある
繊維芽細胞、そこには核というものがあり
その周りには点が多くある
これって、エクソソームだという。

 

他からやってきて、老化した細胞から
届いたことがわかったそうです
しかしどんなメッセージが
書かれていたのかは不明です。

 

このエクソソームの数や
マイクロRNAの種類を調べれば
肌の老化の個人差やメカニズムが
解明できるかもしれません。

 

食べ物に含まれるエクソソーム?

野菜や果物の細胞にも
エクソソームは含まれています。

 

ショウガにはアルコール性の肝障害を
予防する
エクソソームが含まれている。

 

また最新の研究では
ゆで卵に含まれるエクソソームは
動脈硬化を抑えたり
記憶力が上がった
、という報告がある
(しかしこれらは全てマウスの実験)

 

 

スポンサードリンク