NHK新アレルギー治療、Tレグ細胞の力とは!?花粉症にも効果が!
花粉症の治療で画期的な試験治療がカナダで行われています
花粉の粉を部屋の中に降らせて、治療の効果を試している。
花粉症の患者さんたちはこれでも平気。
投与された薬は、数回の注射で症状の改善を示すデータが。
受けた方は数回で信じられない位に症状がましになったと。
おまけにこれは花粉のみではなく、ネコアレルギーや
食物アレルギーにも効果があるのではないかとされています。
きっかけになったのはTレグ細胞というもの。
これは人体の中にあります。
アレルギーは1960年以降に増加しているという話。
どうして60年代以降にこれだけ増えたんでしょうね。
その前に、ゲストの加藤浩次さんと松嶋尚美さん。
お二人はアレルギーないのかな?って思ったらやはりありました。
松嶋さんは卵とごまアレルギー、加藤さんはマンゴー(笑)
やはり何かしらのアレルギーはあるという事ですね。
目次
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アメリカオハイオ州、アーミッシュという民族の4人家族のケース
自給自足の生活をしていて、家畜の面倒を見ているという家族。
だけどこの町の方々はアレルギーはほとんどないとか。
どうしてなんでしょうね?
ドイツの教授はこの謎を解くために研究をしました。
10歳未満の血液検査をして、アーミッシュの方々の
アレルギーはどういう事になっているのか?
調べてみましたら、特別な遺伝子はなかったそうです。
更に謎は深まります。
そこで注目したのは、家畜とふれあう生活。
子供の頃に家畜と触れ合うとアレルギーになりにくいというデータがありまして
アーミッシュの方々がアレルギーになる人が少ないのはこういう事という報告。
ドイツの教授が、このアーミッシュの他にも家畜とともに暮らす
ドイツの農家をさらに調査してみました。
家畜とふれあうと体の中で何が起こるのか?
最新の検査方法で、思いもよらない特徴が。
血液の中のある細胞が35%も多かったという報告。
それが、Tレグ細胞なんです。
アレルギー細胞が少なくなるのは、家畜と触れ合うことで
Tレグ細胞が増えるからだと、ドイツの教授は結論付けました。
Tレグ細胞の存在は20年前に知られていました。
大阪大学教授、坂口志文さん。
この方が初めてTレグ細胞を見つけました。
まず免疫細胞の仕組みですが、身体を守る攻撃細胞があり
異物が侵入すると、一斉に攻撃をします。
だけどその中に攻撃細胞を食い止める細胞を
坂口教授が発見、それがTレグ細胞。
アレルギーの仕組みとは?
わかっているようでわからないですよね、簡単にですが紹介。
体内にアレルギー物質が侵入した場合、害がないにも関わらず
それを攻撃し続けることで起こるんです、過剰防衛反応とでも
いうんでしょうか。
ここで重要になるのがTレグ細胞、この攻撃細胞に
「その花粉は敵ではない」という指令を出していることがわかったんです。
つまり、Tレグがアレルギーになるかどうかの決め手、ともいえます。
アーミッシュはTレグ細胞が多いから、攻撃細胞を抑え込める
だからアレルギーにならない。
だけど我々はTレグ細胞が少ない、攻撃細胞を抑え込めない
だからアレルギーになりやすい。
と、考えられています。
この家畜との関係が、今後のアレルギー治療が
飛躍的に変わる可能性があるという事、凄い発見ですよね。
どんなアレルギーでもTレグ細胞は効果があると
坂口教授は話しています。
家畜が出す細菌を子供の頃に吸い込むと
免疫が刺激されTレグ細胞が増えるという推測。
Tレグ細胞が1番増えるのは3歳くらいまで、とも言われてます。
綺麗にしすぎるのもこれもまたよくない。
免疫機能が働かなくなるので。
アレルギーの発症が60年代以降増加しているのは、このように
綺麗にしすぎるという事が原因ともいえます。
ここで加藤さんが素晴らしい質問を!
免疫細胞って、身体を守るためにがん細胞や風邪などと戦うために
免疫は働いている、それを抑えるTレグが増えてしまうと
風邪とかの場合、戦ってくれなくなるんじゃないか?という質問。
ん~鋭い!
坂口教授の話では、Tレグは相手を区別するので、風邪のウイルスは
遠慮なく攻撃をするようになっているし、アレルギー物質に対する
攻撃する細胞は抑えると、このようにうまくできているという話です。
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まだアレルギーになってない子供の予防について
オハイオに住む家族の話なんですが、両親がピーナッツと大豆ののアレルギー。
子供たちにもアレルギーにならないか心配。
食事もピーナッツなどアレルギーにならないため徹底的に避けてきました。
だけどその心配むなしく、子供たちもピーナッツのほか複数のアレルギーに。
子供たちに何を食べさせたらいいのか・・・と言ってました。
そうですよね・・・
だけどどうしてこれだけ気を付けたのにこうなってしまったのか?
それには2000年に報告されたアメリカの報告書が原因。
そこには妊娠中、授乳中には母親はアレルギー食品を避けること。
乳製品を与えるのは1歳以降、卵は2歳以降、ナッツや魚は3歳以降と
書かれていました。
その指針に沿った指導でも効果はなかったんです。
この指針発表の2000年以降も食物アレルギーの患者は増え続けました。
そして2008年に改訂、そこには
アレルギー食品を避けていたとしても
アレルギーを予防することにはならないと。
具体的にどうすれば予防になるのかは記されないままに・・・
今年2月アメリカのアレルギー学会で衝撃的発表が・・・
子供のピーナッツアレルギーを防ぐには、あえて
ピーナッツを食べたほうがいいと。
毒を以て毒を制す、という事でしょうか・・・
両親としては怖いですよね。
たとえ予防できることが判明したとしても。
この発表をしたのは、アレルギーの世界的権威とも言われている
イギリスのロンドン大学、ギデオンラック教授という方。
この研究はピーナッツアレルギーになっていない子供たちが
実験に参加したデータなので、ピーナッツアレルギーを
発症している人は、絶対に与えないでください!
ラック博士の行った研究では生後6か月から11か月の赤ちゃんに
ピーナッツを2グループに分けた子供たちにあたえます。
週3回以上与えた子供、そして徹底的に避けた子供と。
そして4年後にどうなったかの結果。
週3回以上ピーナッツを食べた子供は、ピーナッツアレルギー
発症率3.2%
一方徹底的に避けた子供は17.3%も!
およそ5倍以上の開きがありますね。
ラック博士は、ピーナッツなどのアレルギー食物を食べることで
Tレグ細胞が増えるのではないかと、考えているようです。
その根拠となったのがこの実験。
マウスを使った実験なんですけど、生後間もないマウスに
アレルギー食品を食べさせます。
そしたら、食べなかったマウスと食べたマウスでは、Tレグの
数が大幅に違っていたんです。
マウスの体の中で何が起こっているのか?
ピーナッツは腸に行くと攻撃細胞は異物と判断します、それを
Tレグ細胞が攻撃を抑えます、しかもそのTレグ細胞は
ピーナッツ専門のTレグ細胞なんです。
ではそれを生後間もないマウスに与えるのがタマゴだったとしたら?
そしたら卵専門のTレグ細胞が、小麦だったら小麦の・・・っていう風に
動物実験では結果が出ました。
定期的にアレルギー食品にさらされると、それぞれの食品ごとに
専門のTレグ細胞が作られると考えられてます。
それがアレルギーを引き起こす攻撃細胞に
ブレーキをかける、とラック博士は話します。
ではピーナッツ以外、もしくは人ではどうなのか?
これは今後の研究結果の発表を待つしかありません。
大矢幸弘さんがここで参加、アレルギーの専門医の方です。
今できるアレルギーの対策とは?
気になる所ですよね、上記で紹介した事例というのは海外の物ばかりです。
だけど日本でも同様の実験をしていて、年内には発表できれば・・・
という流れにはなっているようです。
日本アレルギー学会が2005年に発表した
「妊娠中、授乳中の母親がアレルギー食品を避けることは
食物アレルギーの予防策として勧められない」
という発表をしているんですね、海外と同様に。
ではお子さんが生まれる前、生まれてからの話になると
・妊娠中
母親に食物アレルギーがなければ何を食べてもいい。
・授乳中
母親に食物アレルギーがなければ何を食べてもいい
ただし!赤ちゃんに異変があった場合は医師に相談!
・離乳食
離乳食の場合は、色んなたくさんの種類の食物を食べることで将来アレルギーを
発症する可能性は少ないという報告があるようです。
上記の話で重要なのは、まだアレルギーになっていない!という事を
前提とした話なんですね、なのですでに食物アレルギーを発症している場合は
間違っても食べさせてはいけません!
アレルギーになる原因で重要なのは、遺伝よりも環境の方が大きいそうです。
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アレルギーじゃない人がアレルギーになるきっかけは?
イギリス・ロンドン在住の男性
重度のピーナッツアレルギーをかかえています。
いつも抗アレルギーの薬を持っています、おかげで知らない所へは
行けなくなってしまいました。
アレルギーになったのは3歳のころ。
そのきっかけは意外なもので・・・
最初は8か月の時に乳児湿疹がひどく、スキンケアのため
クリームを塗るように、アドバイスを受けました。
そのおかげで3歳の頃に湿疹は治ったけども、アレルギーを発症。
どうしてピーナッツアレルギーを発症したのか?
ラック博士の調査した話によると
注目したポイントはスキンクリーム、そこに含まれていた
ピーナッツオイルがピーナッツアレルギーを引き起こしたのではないか?
と突き止めました。
他にも49名の追跡調査をした結果
湿疹のケアに91%の子供がピーナッツオイルの入った
スキンクリームを使っていたという報告が。
これはとても驚いた結果だそうで、ピーナッツオイルが
アレルギーの原因として考え、普通は害のない食物タンパク質が
湿疹のある子供の皮膚から体内に入ると、アレルギーの原因になるのだから、と。
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ピーナッツを口から食べるのは予防になるのに、どうして皮膚からだと
アレルギーになるのか?
傷の場合は、そこから異物が入ったとしても免疫細胞が戦ってくれるし
時間がたつと傷はふさがるので問題はありません。
しかし湿疹や肌荒れの場合だと、バリアがない状態だと問題が。
湿疹や肌荒れの皮膚の下では攻撃細胞が、臨戦態勢をとっています。
外からの侵入を捕えようとしているんです。
そして異物が入ってくると、攻撃細胞は皮膚の内部へ引っ張り込み
そしてこの異物を攻撃するように他の攻撃細胞に伝えて回ります。
これを何度も繰り返すと、攻撃細胞はどんどん攻撃的になり
Tレグ細胞の抑え込む範囲を超えてしまい、アレルギーを発症するとされています。
このようにピーナッツオイルが入っているだけで、身体は
これを寄生虫のような外敵と勘違いしてしまいます。
それを拒否しようとして、アレルギーを発症する、とラック博士は話しています。
食べるのと塗るのとではどうしてこれほど違いがあるのでしょうか?
食べるほうに関しては、腸の中にはたくさんの細菌がいて
食物を拒絶しないようにTレグ細胞がたくさんいてるんですね。
所が皮膚は外から異物が入ってくるようにはなっていないので
バリアがされて保護されています。
なのでバリアを破って傷を負ったり細菌が入ってきたりすると、過剰に
反応をしやすくなっているんですって。
一番最初の方で加藤さんはマンゴーアレルギーという話をしていましたが
これも、ひょっとしたらですが髭剃り後などの時に
マンゴーを食べて、それが髭剃り後の皮膚がひりひりとした状態の
所へマンゴーの成分が入ってきたのではないか?という可能性に至ります。
繰り返し繰り返し、マンゴーの汁が髭剃り後に付着したという感じでしょうか。
中には一人の方が、そば屋さんで働いてそばアレルギーに。
寿司屋さんで働いたら魚アレルギーに。
洋菓子屋さんで働いたら小麦アレルギーに。
という報告もあるんですって!
花粉症の場合は、傷から入ることもありますが主に
鼻やのどの粘膜の部分、体の中のどこかしら
炎症の起こっている部分から入ってくると。
肌があれている場合や湿疹の部分にはスキンケアを
徹底するのは当然なんですが、成分も気にしないといけないですね。
気になる場合は速めにお医者さんに行くのがベストですね。
すでにアレルギーになっている人を健康な状態へ?
千葉大学でアレルギーに関する特別な実験をしています。
そこでは花粉症の患者を部屋に集め、天井からスギ花粉を降らせるという実験。
お部屋の中で3時間過ごし症状を調べます、この方々が受けていた治療法は話題の治療法。
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既に噂になっている舌下免疫療法とは?
これは、身体を花粉のエキスに慣れさせて、体質改善を図るという方法。
その薬を毎日下の裏につけていきます。
体内ではどうなっているかというと、この花粉のエキスは少量なので
攻撃細胞もアレルギーになるほど攻撃をしてきません。
それを保ちつつ、Tレグ細胞に花粉症のTレグ細胞を増やすという事を
目的としています。
2年ほど舌下免疫療法をやって、7割の方は多少の効果がありましたが
まだ3割の方が効果なし。
2011年からこの実験をやっているようですが、多少の効果が
あった人はTレグの数が増えているのに対し、効果がない人は
Tレグの数が減少しています。
体質によってはうまく増えない人もいたりという事もあるんですって。
だけど新たな実験を始めました。
それは毎日1食、特別なお米を食べるだけです。
つくば市にある農業生物資源研究所。
そこであるお米が作られています、それは花粉の成分を
大量に含んでいるお米。
アレルギーを引き起こすのは花粉の中のタンパク質。
最新技術でTレグ細胞を取り出し、そしてアレルギー反応を
引き起こす部分を取り除き、その成分をお米の中に入れたと。
凄いですよね、こういう事が出来るんですね・・・
これが成功するとどうなるのか?
まさしく根治療法ともなりえます、花粉症の方はこれを食べるだけで
花粉症の治療になるわけですから、スギ花粉に関してはですが。
2か月間の実験をした結果でも、Tレグ細胞が増えて花粉症を抑えられた
というほうこくがあったんですって。
花粉の攻撃細胞は50%の減少!減りましたね~
我々の元にこの治療法が届くのは?
5年後くらいだと言われています、やっぱり長いですね~
だけど今後の治療には明るい兆しがありますね。
花粉症以外にも、ダニアレルギー、ネコアレルギーなどの
実験も日本でも進んでいます、期待して待ちましょう!
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