NHKスペシャル、認知症特集2日目、最後までその人らしく生きる

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11月14日放送のNHKスペシャル、今回は認知症の特集。
2夜連続となっていて、本日は2日目です。
テーマは、「最後までその人らしく生きる」

 

認知症の世界的権威ライスバーグ教授の元へ
ある患者さんが尋ねました。
話をする事も歩くことも出来ませんが、絵を描くことが出来ます。
不思議と絵だけは描けるんです、しかもお上手。
人の能力というのは本当にすごいですね。

 

認知症患者さんでも、はるかに能力を持っておられます。
人は様々な能力をまだまだ発揮できていないのでしょうね。

 

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認知症患者さんの心の内って?

島根県出雲市、全国から注目されている施設があります。
小山のおうちという施設、利用者は自宅から通います。
ほとんどが重い認知症の方たち。

 

65歳女性、4年間に認知症と診断、2年前に徘徊が始まり
夫はずっとつきっきりの状態です。

 

認知症の方たちの心の内はどうなっているんでしょう?
精神科医の高橋先生、この心の内というものを
認知症患者さんと向き合い、どういう心の中をもっているのか?
そこに何か改善のヒントがあるのか?を探ってみることに。

 

そこでまず行ったことが認知症患者さんに手記を書いてもらうこと。
最初はほとんどの方が書けませんでしたが、少しずつ
話をしていって、何とか半分の方は書くようになりました。

 

78歳の女性は、旦那さんと一緒に印刷店を営んでいましたが
ある日からお客さんの顔や名前を忘れてしまって
困っている、近所の人から物忘れがひどいと笑われたりしていました。

 

そのことについて手記を書いていくと、少しずつ認知症患者さんが
どう思っているのかという、心の内が見えてきました。

 

物忘れがつらい、忘れ過ぎだと笑われてしまい、じゃあその
笑っている人たちは物忘れをしないの?
という辛い気持ちになり、また友人と会えないという思い
も。

 

先ほどの65歳女性の方も、手記を書きました。
家ではご主人や息子が怒り、私もどうして怒られているのか
わからずに怒ってしまう、嫌になると家出をしてしまう。
いてもいなくてもいいのではないか?という気持ちになる

 

いくら何をしているのかわからない状態になっても
心の内には、しっかりと思っていることがあり
それを言葉にできないだけ
なんですね。
これほどつらいものはありません・・・・
症状は進んでも、心は失われていないんです

 

認知症の症状、改善できるものもある?

アメリカで、暴力や徘徊をどうすれば改善できるか?
ペンシルベニア大学の教授が取り組んでいます。
主に向精神薬を使っていましたが、高齢者に使うと
死亡リスクが高まると言われています。

 

そこで注目したのがレクレーション。
研究では各々違う内容のレクレーションをします。
1人1人面接をして、興味のあるプログラムを
積極的に行っていこう
というもの。

 

内向的な人はガーデニング、ゲームが好きな人には
ゲームを用意したりなど、これらを3週間続けてもらうと
暴力や暴言などが24%も減少したそうです。

 

認知症の人の暴力的な症状は、何かを訴えているという
事なのではないか?ということでその人にあった
プログラムを考えたのだそうです。
上手に訴えることができない自分へのいらだちを
悪いとわかっていても、つい人にあたってしまう・・・
ということなんでしょうね。

 

アメリカではガイドラインを改訂し、薬の治療ではなく
本人の興味があることを行っていく、という方向になりました。

 

日本ではどうなのか?
先ほどの小山のおうちでは、問いかけがなくても
話しかけたり、また物忘れを肯定してあげる
、という事も
行っています。

 

こういう取り組みをした結果、暴力は少しずつ
減ってきているようです。

 

小山のおうちの認知症患者の娘さんが、高橋先生の元を尋ねました。
認知症患者の母親の事についての相談です、そこで高橋先生は
この娘さんの母親の手記を見て、お母さんがどう思って
いるのかを知り、それから少し接し方を変えました。

 

以前娘さんはお母さんが忘れたことに対して、厳しくあたっていましたが
それをやめにして、話を聞いて何か忘れていても
厳しくあたることをしないようにしました。
優しく話しかけたり、眠っていない時も怒ることなく
好きな時間に休むようにと、母親への対応に少し変化をつけてみることに。

 

そして相談から1ケ月半たった頃には、表情も明るくなり
言葉数も多くなっていきました

叱らない、という事だけでも症状がほんの少し改善される
ということなのでしょうかね。

 

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認知症の方も外で働きたい

認知症の方の手記の中で多かったのが社会とのつながり
社会とつながっていたい、家から出て働きたい。
という方が多かったようです。

 

このような取り組みをされている街が日本にあります。
それは静岡県富士宮市。

 

福祉先進国オランダから視察に訪れました。
富士宮市は、認知症になってもそれまで通りの
暮らしが出来る街をキャッチフレーズとしています。

 

認知症になって、外出・交流の機会が減ったりする人は
およそ7割もいらっしゃいます。
者器とのつながりがどんどんなくなっていきますね。

 

52歳女性、3年前に若年性認知症と診断されましたが週5日
福祉施設で働いています、様々な企業や団体が認知症の人を孤立させない
ように色々な取り組みをやられています。

 

おしゃべりの場に、認知症の人たちが集まって
話をしたり、スポーツをしたりして交流を深めていきます。
認知症の人たちのスポーツ大会も!

 

症状が進んだ人に対してのケアも充実しています
市内17地区で行われている見守り活動、薬の管理や買い物の手伝いも
やっています。

 

顔なじみのため、仮に徘徊しても1時間以内には
見つけられているとのこと、町ぐるみで
それぞれの人の顔を覚えている、それが1人ではなく
複数が覚えているから、徘徊してもすぐに見つかるんでしょうね。

 

でもどうして、富士宮市は手厚いサポートができるのか?
これは行政の取り組みではなく、市民からのサポートだそう。

 

そのきっかけを作ったのが67歳の男性。
話は8年前にさかのぼります、認知症となり友人との付き合いも
途絶えてしまい外出も減っていきました。
そこで市役所に、認知症になっても誰かの役に立ちたいと相談へ。

 

当時の認知症の支援といえば
・デイサービス
・訪問介護
・特別養護老人ホーム

などしかありませんでしたので、67歳男性の思いに
こたえるすべはありませんでした。

 

いきなりデイサービスに行ってくださいとも言えないし、そう考えたときに
地域とか社会で活動できる場が必要だと、市役所の方は思ったそうです。
ここは、市民の協力を仰ぐしかないと。

 

そこで思いついたのが67歳男性が直接、市民に気持ちを伝えてみる事。
地区の集まりや学校などに出向いて、認知症について話す場を作りました。
当時ではこれは異例の事でした。

 

市民は話を聞いて、67歳男性に仲間にならないか?とコミュニティーが
構築されていき、認知症サポーターが現在では1万人を超えるほどになりました。
しかも老若男女問わず、一緒になって地域を作ろうとするアクションが素晴らしい。
以上となります、読んでいただきありがとうございました。

 

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