NHKスペシャル、骨メッセージ物質(オステオカルシン&オステオポンチン&スクレロスチン)の働きが凄い!

NHKスペシャル
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2018年1月7日放送のNHKスペシャル
今回で第3回目の人体の特集
テーマは骨です、全身の若さを司り
記憶力、精力、免疫力まで操っている
ただの骨ではないという事です。

 

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骨の中には細胞がたくさん存在する!

私たちの体の中には骨がなんと約200個もある
この骨1つ1つが凄い役割を果たしている。

 

骨も人体のネットワークの一員
骨からのメッセージが他の臓器を若く保つ
という事も考えられている。

 

ブレイク・コールドウェル選手33歳
アメリカを代表する自転車の元選手
19歳でプロデビューして以来
数々のタイトルを獲得してきました。

 

ところがキャリアの絶頂期に骨の異常が
見つかって引退を余儀なくされた
きっかけは太ももの付け根
大腿骨近位部骨折
自転車で友人の家へ行く途中に雨で滑って
転んでしまったのです。

 

ゆっくりと歩く程度のスピードだったが
転んでから激痛が走ったようです。

 

過酷なレースに耐えてきた人がなぜ軽い
転倒で重度の骨折をしてしまったのか?

 

コールドウェル選手自身
これはおかしいと思い
病院で骨を調べてもらう事に。

 

当時の年齢は25歳、しかし骨量の検査の結果
80歳程度の骨量だったのです。

 

コールドウェル選手はとてもショックを受けた
どうしてこんなに骨量が低い?
自分の体の中で何が起きているのか?
不安でいっぱいだったようです。

 

骨量が下がると骨の内部がスカスカとなり
骨折しやすくなるというのは
なんとなくわかりますよね?

 

実は骨量が減っていくというのは
単に動けなくなるだけではないのです。

 

高齢者の場合、大腿骨の骨折をきっかけに
4人から5人に1人が1年以内に
命を落としている
という統計があるのです。

 

その原因の一つに、骨の出す
メッセージ物質にある
と考えられている。

 

骨量が減って行く事で
若さを生み出すメッセージ物質が
出なくなっていく

全身の老化が急速に進んでしまう可能性がある。

 

コールドウェル選手の主治医である
ポールミラー先生の話では
骨が果たす役割は単に体を支えるだけではない
全身に向けて様々なメッセージ物質を送る
立派な臓器でもある
のです。

 

なので骨が弱るとそれによって
骨からのメッセージが減っていき
様々な老化現象が進んでしまう。

 

では骨ってどういうメッセージを発しているのか?
いくつかのメッセージ物質に注目

 

記憶力を強くするメッセージ物質、オステオカルシン

1 記憶力に関するメッセージ物質
最近新しいことが覚えられなくなってきた気がする
心当たりのある人もいるかもしれません

 

実はこれって骨の出すメッセージ物質が
不足しているからかもしれません。

 

骨の働きについて研究する
コロンビア大学のジェラール・カーセンティ博士は
骨が脳に向けて発するあるメッセージ物質に注目
『オステオカルシン』
というメッセージ物質です
これが記憶力に関して重要な働きをしている。

 

遺伝的にオステオカルシンが作れないマウスを
使ってある実験をしました
用意したのは水槽で、1か所だけ足をつけられる島がある
そこへ到達するまでの時間を調べる。

 

オステオカルシンがあるマウスと
作れないマウス、最初はどちらも島への
到達時間は80秒から90秒でした。

 

しかし実験を重ねると、通常のマウスは
島へ4秒で辿り着くことができた
しかしオステオカルシンが作られないマウスは
最初のタイムと変わらず90秒もかかった。

 

マウスでの実験ではありますが
オステオカルシンを作れないマウスは
反復行動を覚えるスピードがとても遅い。

 

その理由として、オステオカルシンが
作れないマウスは海馬の働きが低下している
ということが考えられるのです。

 

オステオカルシンは、記憶力をアップせよ
というメッセージを骨から出して
血液を通り脳へ移動、海馬にある神経細胞が
このメッセージを受け取って脳は
記憶しようと働きます。

 

カーセンティ博士は、骨が記憶力までコントロール
しているという事に非常に驚いたそうです
メッセージ物質を介して臓器は互いに
会話をしているという事ですからね。

 

この内容がわかってくることで
骨の力をさらに解明する事が出来るとのこと。

 

オステオカルシンには他にも働きがあり
筋肉にオステオカルシンが届くと
筋肉のエネルギー効率を高める働き
あると言われている。

 

次に精力アップにも関係
オステオカルシンが精巣へ行くと
テストステロン、男性ホルモンを増やす
働き
があるのです、つまり精子の
生成に役立つと言われている。

 

反対にオステオカルシンが少ないと
精子の数が減るという研究もあるそうです。

 

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免疫力を強くするメッセージ物質、オステオポンチン

2 免疫力アップに関係するメッセージ物質
日本人の主な死因の肺炎やがん
こうした病に関係するのが免疫力の低下
実はそこにも骨の出すメッセージ物質が
関係している
と言います。

 

老化のメカニズムに研究している
ドイツのウルム大学、ハームット・ガイガー博士
年老いたマウスでは
『オステオポンチン』
という物質が少なくなっている事を発見した。

 

このオステオポンチンにも
若さに秘められたメッセージが隠されて
いるのではないか?
ガイガー博士は2つの種類のマウスを用意し
片方にだけオステオポンチンを投与した。

 

すると5ヶ月後、オステオポンチンを与えた
マウスに大きな変化があったのです
体内のウイルスなどと闘う免疫細胞の量が
倍近くにまで増えていたのです。

 

オステオポンチンのメッセージはいわば
免疫力をアップせよ

このメッセージが免疫細胞の元となる
細胞に行くと、生まれてくる免疫細胞の量が増え
身体全体の免疫力を根本からアップさせる
という事が考えられるのです。

 

注意してほしいのは
マウスでの実験であるという事です
また、オステオポンチンは状況によって
働きが変わる可能性があり
研究が進められている最中です

 

骨の丈夫さや若さが重要なのはここまで
読み進めていくとわかってくることかと
思いますが、どう骨を強くしていくか?

 

もちろんカルシウムなどを摂取するのもいいが
それだけではだめという事も
最近の研究でわかってきているようです。

 

キーワードは
『骨自身が自分の強さを決めるメッセージを出す』

 

骨自身を強くする骨のメッセージ物質、スクレロスチン

自分の骨を強くするメッセージ物質って
どんなものなのでしょうか?
手掛かりは南アフリカのある地域に
起こっている難病にあったのです。

 

そこにいる患者の1人、27歳の男性
聴力がどんどん悪化してきている。

 

その病気の名は硬結性骨化症という難病
骨が異常に増え続ける病気
症例はこれまでわずか80ほどしかない。

 

頭蓋骨の写真をみると、骨がとても厚い
異常に増えたために骨が厚くなり脳を圧迫
そのために視覚や聴覚に障害を起こす。

 

男性は骨を削るために何度も手術をした
4年に1度は削るそうです。

 

どうして骨が増え続けるのか?
男性の主治医ハーマン・ハメルズマ先生
50年もの月日をかけてこの病の研究をしている
そしてあるメッセージ物質に目を向けた、それは
『スクレロスチン』
というメッセージ物質が不足している
という事がわかったのです。

 

スクレロスチンは骨を生成するのを
抑制する役割がある
つまり体内の骨の量をコントロールしている。

 

このスクレロスチンの発見は医学界では
大ニュースとなりました
謎の病をきっかけに骨の量をコントロールする
メッセージ物質が特定できたから。

 

男性の場合、スクレロスチンが全くないため
骨の増殖は止まらないのです
反対に骨が減り続けていたコールドウェル選手は
スクレロスチンの量が多かったのです

 

このスクレロスチンのコントロールが
出来れば、骨を健康にして全身を
若く保つことができる、そんな期待が高まっている。

 

骨は内部で作っては壊すという作業を
生きている間、繰り返します
大体3年から5年すると骨は全部入れ替わる。

 

骨が入れ替わっていく理由は
疲労骨折を防ぐために
この入れ替えは常に
繰り返されているそうです。

 

もうひとつの理由は
骨はカルシウムの貯蔵庫でもあるので
カルシウムを身体に放出するために
自分をいったん壊すのです。

 

骨の状態にもバランスというものがあり
骨が出来過ぎてもよくない、破壊され過ぎも
良くない、なのでその間を取ってバランスを保つ
人体には無駄な事があまりない
全てに意味があるという事ですね。

 

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骨の作り替えはどう行われている?

骨の内部は網目のようになっていて
その中には血管もあります
破骨細胞がカルシウムを取り込み
骨を壊していく。

 

骨が壊れてしまったので、骨を作ってくれ!
というアクセル役のメッセージ物質が
骨芽細胞に働きかけて壊された
骨の部分に集まり、固まります。

 

これらを日々繰り返す事で骨は入れ替わる
そこへスクレロスチンが現れて
骨を作るのをやめようと骨芽細胞に伝える
すると骨芽細胞の数は減っていき
骨を作るのをいったんストップさせる。

 

骨を作るアクセル役、そして骨を作るのを
抑制するブレーキ役、これらはどこから
出てきているのかというと
カチカチの骨の柱の内部に潜む
『骨細胞』
から分泌されているそうです。

 

0.02mmという大きさで、全身に
数百億もあると言われています。

 

そして骨芽細胞は、免疫力や記憶力
精力などに関係する若さのメッセージ物質をだし
それを全身の臓器へと送られていく
のです。

 

高齢者は骨折をきっかけに、認知症や
様々な病気を発症するリスクがアップする。

 

骨を強くし若さを手に入れる方法とは?

ブレイク・コールドウェル選手は
メッセージ物質スクレロスチンが増えすぎる
異常によって老化が進む危険性が
あるのは前述したとおりです。

 

しかし骨の若さを取り戻す方法が
わかってきている。

 

コールドウェル選手が
こうなってしまったのは
ミズーリ大学のパメラ・ヒントン先生の分析では
自転車が原因かもしれないといいます。

 

幼少期から自転車を乗り続けた結果
こうなってしまい事態を悪化させた
ではその理由って?

 

プロ選手を目指し、7歳から自転車に本格的に
乗り始めたコールドウェルさん
無駄な筋肉が増えて体重が増えないように
ランニングなど他の運動は控えてきた。

 

この偏った運動習慣が骨に異常をもたらした
のではないか?と言われています。

 

ヒントン先生はある興味深い研究をしました
一般の人でも運動習慣によって骨量に
違いが出るのか?
という実験。

 

まず20代から50代の男性で健康維持のため
週に6時間以上ランニングをしている
人たちの骨量を調べてみた、すると
そのうち骨量が低い傾向にある人は
全体の19%でした。

 

一方で自転車に乗っているグループでは
何と全体の63%の人が骨量が低下する傾向に
あるという事がわかった
のです
ランニングのグループの3倍。

 

その理由ですが、骨に伝わる衝撃の違いでした
ヒントン先生の話では、骨は衝撃を感知すると
骨の量を増やす
と言います。

 

自転車とランニングの違いは
骨に衝撃がかかるかどうかです
自転車をこいでも骨には衝撃が伝わらない。

 

体重が自転車によって支えられているので
骨への衝撃という点では
ただ座っているのと同じなのです。

 

ヒントン先生はさらに実験をしました
骨量が低い人たちにジャンプ運動をしてもらい
骨に衝撃を与え続けた、1日30分を
週3回、1年間、すると驚きの結果が・・・
19人のうち18人がブレーキ役の
スクレロスチンの量が減っていたのです。

 

骨に衝撃がかかると体の中では
何が起こっているのか?

 

衝撃を感知するのは骨細胞です
いわば衝撃センサーのような役割をしている
骨細胞は骨の中にネットワークを
張り巡らせているので
衝撃を敏感に感知する。

 

衝撃を感じると、骨を作るのをやめよう
というメッセージ物質を出して
骨を作ろうというメッセージ物質を
新たに出していくのです。

 

つまり衝撃を受ける事で骨細胞が反応し
そして骨芽細胞が増殖して
若さに必要なメッセージ物質を出していく
その結果全身を若く保ってくれるのです。

 

しかし活動をやめてしまうと骨芽細胞は
若返る必要がないと判断し
メッセージ物質を出すのを止めてしまう
のです。

 

カーセンティ博士は、なぜ骨が衝撃を感知する役割と
臓器の若さを保つという2つの役割を担ったのか?
それは進化の過程で活動的な個体を生き残らせるため
狩りをする筋力、記憶力、子孫を残す精力
全てが必要、骨は私たちの活動状態を見張り
若さを保つ判断をするのです
いわば人体の若さの門番
このように話していました。

 

ただ、自転車が悪いというわけではない
非常にいい運動である事には変わりません
心肺機能アップ、メタボ予防
筋力アップ
につながります。

 

高齢者の場合は水中ウォーキングやヨガ
ストレッチを行う事も骨に効果はあります。

 

骨は身体への衝撃を感じる唯一のセンサー
活発な動きを感じ取り、活発な個体を
応援してくれる。

 

しかし現代の生活は活発さを忘れ
進化に逆らっている気がしますね。

 

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