NHKスペシャル、新型インフルエンザの大感染時代はすぐそこまで来ている!?
2017年1月14日放送のNHKスペシャル、今回は
ウイルス大感染時代!がテーマ。
大感染=パンデミックという言い方もしますが
もしパンデミックが日本で起こると、最悪64万人が
死亡すると言われております、近年未知のウイルスの
出現なども聞いたりしますが、対策って
どのようにしていけばいいのでしょうか?
目次
スポンサーリンク
人間の命をもっとも奪ったのは戦争ではない
毒性の強いインフルエンザが蔓延すると
街から人が消えて、医療機関はパンク状態・・・
社会機能は停止し、最悪何十万人の命が落ちる事にもなる
我々が生きている時代は、このようなリスクがある。
われわれ人間の命をもっとも奪ってきたのはウイルスです
・天然痘ウイルスが3億人
・エイズウイルス3千5百万人
・インフルエンザウイルス5千万人
物凄い数ですよね・・・
現在日本でも鳥インフルエンザウイルスを検出したという
ニュースが入ってきたりしています、感染が確認された鳥が
いくら少なくてもすべての鳥を処分する必要がある。
これまで鳥インフルエンザウイルスが検出された農場は7か所
野鳥からの検出は165件となっています
過去最悪の広がりを見せている。
この感染を引き起こしたのが鳥インフルエンザで最も毒性が
高いとされているH5型の鳥インフルエンザウイルス。
本来鳥インフルエンザウイルスは鳥から鳥の間でしか感染しない
しかし鳥から人へ感染するケースが世界から相次いで報告されている。
エジプトではここ数年感染者が急激に増加、2015年には
39人もの人が命を落としています。
鳥インフルエンザが人間に感染すると重篤な肺炎を起こし
やがて多臓器不全を起こし命を落としてしまいます。
いま最も恐れられていることは、このH5型鳥インフルエンザウイルスが
人から人への感染を起こさないか、という事です。
東南アジアで家畜の体内のウイルスを調査している竹前先生
たちの研究チーム、世界で初めてインフルエンザウイルスが
豚の体内で頻繁に変化することを遺伝子レベルで突き止めました。
鳥インフルエンザウイルスが種の違いを超えて感染するには
いくつかの壁があります、その一つがウイルスの増殖に適した温度
鳥インフルエンザウイルスは鳥の温度に近い42度で増殖します。
一方人の体温は36度、そのため仮に一人の人が感染しても
他の人には感染がしにくいのです、そこで注目されたのが
人と鳥の中間の温度を持つとされる豚なのです。
豚は鳥と人どちらのインフルエンザいウイルスにかかりやすい性質がある
豚が同時に2つのインフルエンザウイルスに感染した時
遺伝子が混ざり合います、この時人の体温でも増殖する遺伝子を
獲得してしまう恐れがあるのです。
豚から見つかったウイルスは400種類、その8割には
鳥と人のウイルス遺伝子が混ざっていたのです。
実は鳥インフルエンザウイルスの温度の壁は突破された!?
エジプトでは2015年に39名の方が命を落としたといいましたが
エジプトで流行した鳥インフルエンザウイルスを解析した
東京大学の河岡教授の話では、ウイルスに深刻な変異があることを
突き止めたのです。
解析したのはウイルスの遺伝子、増殖温度に関わる部分が変異していた
42度から33度の温度間で増殖することがわかったのです。
人の体温でも増殖、人から人への感染が生まれやすい状況となっている
これで1つ壁がなくなってしまったという事になり
危機は迫っていることを意味します。
しかしエジプトでは爆発的な感染はみられていません
そこで河岡さんの研究チームは更なる研究をしていきました
残された壁についてです。
注目したのはウイルスの突起部分、ウイルスが体内に入った後
人の細胞と結合する必要があります。
ウイルスの突起物と人の細胞の受容体が合わないために
結合しにくい、河岡さんはウイルスの突起の詳細な構造を調べると
結合に関する遺伝子は4つしかないことがわかりました。
ウイルスの突起部分が変異すると、受容体とあってしまい
人から人への感染能力が高まってしまう
新型インフルエンザウイルスが完成してしまい、感染爆発が
起こる可能性があるのです。
この他にも残された壁はないのかというのを、河岡先生は
現在研究を続けています、大感染が起こるかどうかというのは
現段階では分からないが、新型インフルエンザウイルスに対する
準備は必要となります。
日本というか世界では、いつパンデミック=大感染を
起こすのかはわからない、10年後かもしれないし
20年後かもしれない。
上記の鳥インフルエンザウイルスのH5型の事に注目しているが
この他にも中国から出てきたH7N9型のインフルエンザウイルスも
人への感染が間近に迫っているのではといわれている
それだけ危機は迫ってきているという考えを持った方がいいです。
スポンサーリンク
日本で新型インフルエンザが流行したら?
国と医療機関が想定した最悪のシナリオはこうなっている
東京都内で新型インフルエンザに感染した人が
1人現れたケースです、咳を介して免疫力が弱った人に感染していく。
数日で咳や高熱が出て、病院には患者が殺到
入院に必要なベッドが不足していく。
症状は一気に深刻化する、特に感染が集中するのは肺
24時間でウイルスは100万倍に増殖し、次々に細胞を
死滅させていきます。
更にウイルスは全身に広がっていき、肝臓や脳などの
細胞が死滅し多臓器不全となり死に至る。
国立感染症研究所の研究結果では、たった一人の感染で
2週間で35万人の感染が予測されています
すると政府から非常事態宣言がなされて
社会がストップします。
物流が停止し、食料品の調達も困難になる
外国からの支援は期待が出来ない、世界中で感染が
起こっている可能性があるからです。
最悪3200万人が感染すると言われている
医療関係者も感染し、医療現場は崩壊します
死者が続出し火葬が追い付かず遺体は埋葬される
致死率は最大2%と想定し、死者は最大で64万人に達すると推定。
ワクチンの製造をすればいいじゃないかと言われますが
ワクチンを作るためには、ウイルスが必要になります
なので爆発的流行期に、ワクチンが完成することはなく
爆発的流行期から数ヶ月後位にワクチンは完成すると
言われております。
手を洗うなどの予防よりも
『感染した人が他の人にうつさない』
という事の方がよっぽど重要です。
しかし日本の社会では少しの風邪の症状でも出社をしてしまう
たったこれだけの事でも感染を広げるリスクというのはあります
社会自体が変わらないと、この点は難しいかもしれませんね。
新型インフルエンザだけが命を脅かすウイルスではない
MERS(中束呼吸器症候群)というウイルスがあったのをご存知でしょうか?
致死率は40%を超えると言われているウイルス、初めて確認されたのは
2012年に中東から現れ、韓国などでも流行し世界26か国で感染が広がった。
1万1千人以上が死亡したエボラ出血熱
2014年にアフリカから広がりアメリカやヨーロッパなどで感染がありました。
ではウイルスの感染を加速させるリスクはなんなのか?
それは地球の温暖化です。
シベリアの永久凍土では、凍土が急速に溶けて
未知のウイルスが拡散する可能性があると言われている。
3万年前の地層から発見されたモリウイルス。
モリウイルスは増殖能力が高い、アメーバの中で
12時間で1000倍に増殖、そしてアメーバの細胞膜を突き破り
アメーバの外でもモリウイルスは増殖していく。
封じ込められたウイルスの他にも、温暖化が既存のウイルスを
拡散させる可能性がある、注目されているのがジカウイルス。
妊娠している女性が感染すると、小頭症の子供が生まれるという
恐ろしいウイルスです、母親の体内で感染し
脳の発達が行われなくなったと考えられています
知的障害などを引き起こし死に至ることも。
ジカウイルスの人への感染が最初に確認されたのは1952年ウガンダで
その後世界中に感染が拡大、2015年には
ブラジルで大流行を起こしました。
ウイルスを媒介したのは、ネッタイシマカです
蚊が感染した人を刺すと、蚊の体内でジカウイルスは増殖
そして感染していない人に、感染した蚊が
血を吸うとそこからジカウイルスは侵入していく。
これまでは感染があった地域というのは、赤道付近と
限られてきましたが、日本には熱帯シマカは居ないが温暖化の影響で
感染のリスクが高まってきている、そしてヒトスジシマカが
ひょっとするとジカウイルスの媒介に
なってしまうのではないかと言われている。
ヒトスジシマカの生息域も広がりを見せている
東北地方でも出現していると言われています
年代別で見ていくと、このようになっている。
ヒトスジシマカはジカウイルスに感染するリスクが
低いとされていますが、しかし温暖化によりヒトスジシマカの個体数が
増えて蚊に刺される回数が増える事で感染のリスクが
高まるのではないかと言われている。
蚊の羽化についてですが、気温が高いほど羽化が早まる
・気温20度では羽化まで1ケ月程度
・気温25度では羽化まで18日
・気温30度では2週間程度
と気温が10度違うだけで、羽化のスピードは倍近く変わるのです
理論上数は数十倍に増えると考えられる。
スポンサーリンク
温暖化がもたらす脅威に立ち向かう方法はあるのか?
まだ始まったばかりですが、方法はあります
まずジカウイルスですが、ウイルスを媒介する蚊を絶滅させる方法です。
もちいるのは最新の遺伝子組み換え技術、大量のオスの蚊の幼虫
いわゆるボウフラですが、遺伝子を組み替えることで
寿命を短くしました、この蚊と交尾をしたメスの蚊は子どもを
産みますが、子供の蚊にも寿命の短い遺伝子は引き継がれます
これを繰り返すことで、蚊の個体数を激減させることができる。
しかしこの実験をすることを疑問に思う声も出てきている
それは生態系に何らかの影響を与える可能性があるためです
蚊が遺伝子の作用に対する耐性を持つ可能性もあるので
慎重に進めていく必要がある。
2003年にサーズというウイルスが流行、中国南部から
始まったウイルスですが瞬く間に飛行機を介して
世界中に広がってしまったという歴史がある
年間で飛行機での移動人数は35億人と言われています。
これはウイルスが特定の地域だけで流行していたという事が
無くなりつつあるという事にもつながります。
またウイルス感染症の多くには潜伏期間というものがあり
潜伏期間中に日本に新型ウイルスの感染者が入国し
発症すると、感染が広がるリスクはあります。
ウイルス大感染時代の命を守る戦い
まだ未知のウイルスが多く潜んでいると言われているアフリカ
ザンビアで対策のための研究が行われている
10年前から未知のウイルスを調査している澤教授
ウイルスの膨大な遺伝子情報を蓄積し解析を進めている。
澤教授のチームが研究しているのは生物の体内で宿るウイルス
その一つが牛などの家畜、牛にくっついたダニや蚊などを収集
既に新種のウイルスは20種類以上見つけています
一部を記しますが、まったく聞いたこともないウイルスばかりです。
ジネズミから発見されたウイルス
・ムプルングブファウイルス
・クロヒウイルス
コウモリから発見されたウイルス
・バットピコルナウイルス
・バットプロトパルボウイルス
・バットアストロウイルス
・ユビナガコウモリポリオ―マウイルス1
・ユビナガコウモリポリオ―マウイルス2
・キクガシラコウモリポリオ―マウイルス
・エジプトルーセットオオコウモリポリオ―マウイルス
蚊から発見されたウイルス
・アノフェレスフラビウイルス
・コクイレッティディアフラビウイルス
・マンソニアフラビウイルス
・キューレックスフラビウイルス
・キューレックスフレボライウイルス
・アノフェレスフレボウイルス
・アノフェレスフレボライクウイルス
・アエデストティライクウイルス
マストミスから発見されたウイルス
・マストミスポリオ―マウイルス
バーヴェットモンキーから発見されたウイルス
・バーべットモンキーポリオ―マウイルス
・シミアンイムノデフィシエンシーウイルス
何が何やら・・・っていう名前のウイルスですよね。
その性質を明らかにするため遺伝子の解析をしている
解析した研究結果は、世界中の研究者と共有されています
一つ一つ病原性を解析し、免疫力を付けるワクチンの開発を行う。
スポンサーリンク
新型インフルエンザでも対策は進展しはじめている
東京大学の河岡教授はより効き目の高いワクチンの開発を2015年
世界で初めて開発した、現在ワクチンの製造は鶏の卵を使って行われている
しかしワクチンの質にばらつきがあり、効き目の弱いものが
出来てしまう事が課題でした。
そこで河岡教授は犬や猿の腎臓の細胞を培養し、効率よくワクチンを
製造する技術を開発し、従来の方法の200倍以上の速さで
品質が一定のワクチンを開発することに成功しました。
澤教授と河岡教授のやっていることは本当に途方もない事では
ありますが、新種のウイルスを見つけ解析を進めて
ワクチン開発をし、ワクチンの大量生産をして
感染リスクを下げる、人類にはとても重要な事ですよね。
最後に新型インフルエンザの脅威はどこまで来ているのか?
山口大学の前田教授は、アライグマを手掛かりに研究を進めている
アライグマは野鳥を好んで食べる、アライグマは捨てられた
ペットとして近年増殖が多い動物でもあります。
アライグマの血液を調べたところ、H5型の鳥インフルエンザウイルスに
感染していた割合は多い所で6%、この割合から前田教授は
アライグマの感染の数十倍もの鳥が感染しているのではと推定している。
コメント