9月13日放送の夢の扉、今回はマラリアを予防するワクチンに
ついての特集、現在100か国余りで流行し年間
2億人が感染し、年間100万人以上が命を落とすと言われるマラリア。
そんなマラリアのワクチンを開発した日本人研究者がいます。
大阪大学微生物病研究所、教授、堀井俊宏先生です。
現在はこのマラリアワクチンは臨床研究をしている最中なので
正式に認可されているワクチンではありませんが
どのようにマラリアワクチンは開発されたのでしょうか。
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どの地域が流行地域なのか?
熱帯熱マラリアが流行区域というのがあり、特にアフリカでも
西アフリカの地方はとても流行しています。
そのうちの70万人から80万人がなくなっていて
しかも0歳から5歳の子どもたちだといいます。
ブルキナファソという地域が、高度流行地域と言われています。
なぜ子供の感染が多いのか?
マラリアって細菌でもなければウイルスでもないんです、では何かというと
マラリア原虫という寄生虫が関わっていて、この寄生虫が
体内に入り込むようで、その運び屋がハマダラカという
蚊がマラリア原虫が寄生しているケースがあると言われています。
蚊が血を吸うとき唾液も一緒に体内に入れてしまうので
その時にマラリア原虫が100個から200個位入るんだとか。
体内に侵入すると肝臓へいき、3日から1週間かけて数千倍に増殖する。
肝臓から移動して血液の流れに乗って赤血球に寄生し、やがて
次々破壊しながらマラリア原虫はさらに増殖、赤血球が壊されて
有害な物質が血液中に存在しているので、やっつけることができず
発熱は40度を超える事も。
更に感染した赤血球が血液を詰まらせ、死に至らしめるような
・肺水腫
・腎不全
・脳障害
という危険な病に発展することも、危険な時期は7月から10月。
雨季なので蚊が大量に発生するようです。
蚊帳を使ったりして対策はしているのだが、子供の寝相が悪く体の一部が
はみ出たりして、蚊に咬まれてしまうのです。
マラリアにかかっても治療薬はありますが
こんなにもたくさんの命が奪われるのはどうしてか?
それは薬を買うお金が足りない、という事です。
流行している地域が、未だ国として発展をしていない
地域なんです・・・大きな問題ですね。
またニセの薬や闇で取引されている薬も存在しています。
堀井先生が開発しているのは、かかってから治療するという
薬ではなくて、その前に汗腺を防ぐというワクチンの開発です。
大阪大学微生物病研究所は世界でも注目されている機関。
世界各地から研究者が訪れています。
それだけワクチンが出来ると大発見という事なんですね。
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ワクチンが完成しないのはなぜ?
ワクチンは人間の免疫システムを利用するのです。
免疫システムは、病原体を攻撃する抗体があり、一度退治すると
もう一度体内に侵入しても、その病気にはかかりにくくなるというもの。
これを利用したのがワクチン。
毒性を弱めたマラリアの病原体を入れ、それで抗体を作り
マラリアの原虫が入ってきても、原虫を倒してくれる。
そう考えていたのですが・・・
マラリアのワクチンが不可能だと言われていた理由というのが
マラリアには数千の抗原があり、原虫ごとに異なるので
ワクチンが作りにくいのです。
つまり抗体を作っても、攻撃対象が数千もの抗原であるため
体内に入ったとしても、対処しきれない膨大な数なのです。
よって抗体を体に入れても、その抗体にあっていない
病原体が現れると、攻撃が出来ないのです。
なのでマラリアワクチンは不可能に近いと言われていました。
堀井さんはヒントを得るためにマラリア流行地域へ
そこで堀井さんは自ら、マラリア流行地域へいき調べることに。
そこで、マラリアにかかりにくい人が存在することを
知りました、その地域はウガンダ、ソロモン諸島などの地域で
その方たちの血液を採取することに。
堀井さんは考えました、あらゆるマラリア原虫に攻撃できる抗体が
いるのではないかと・・・そしたらある物質が現れました。
それはアメリカへ留学していた時に、偶然発見したマラリア原虫の標的
SERA(セーラ)と言われる物質。
このSERA(セーラ)を調べると驚くことがわかったのです!
SERA(セーラ)に対して免疫を獲得した人はマラリアに感染しない。
抗堀井先生はおっしゃっていました。
そこで堀井先生は、マラリア原虫を数百種類集め何百回と実験を繰り返しました。
結果、全ての原虫にセーラが確認できました。
そこで、人工的にSERAに対する免疫を誘導すれば
そうすることでマラリアに感染しなくなるのでは?という可能性ができてたようです。
研究を始めて15年以上たち、ようやくワクチンが完成しました。
2010年に一度ワクチンの臨床試験をやってみたのですが
誰にも効果が表れなかったようです。
ですが堀井さんは研究をあきらめませんでした。
そこでひらめいたのが、ワクチンが悪いのではなく
ワクチンを打った人間に問題があるのではないかと推測。
理由としてマラリア流行地では、大人になるまで何度も感染して
その結果、SERAに対して反応しなくなると考えたようです。
そこで、6歳から20歳の子供たち、比較的マラリアに感染していない子供に再び臨床試験。
すると、72%も予防効果があったんです!!
今までにあったワクチンは、3割から4割しか効果がないと言われてきました。
続いての臨床試験は、5歳以下の子供たちに対しての試験です。
ブルキナファソで今年の8月に行われました。
年齢層が低ければ低いほど効果があると言われています。
最終的な結果がわかるのは、来年の12月です。
長い時間ですが、いい結果が出てほしいですね。
実用化は5年後を予定しているとのこと。
以上となります、読んでいただきありがとうございました。
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